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「なぜ写真は人生と家族に大切なんでしょう?」

妻と娘を撮りたくても撮れなかった体験から強く想うヒストリー

​〜人生で一番長かった5カ月〜

〜はじめに〜

スタジオフォトアライ・ジュエ
店長の荒井ゆうすけです。

僕には、娘が1人います。

ここを見てくれているあなたと同じ、
1人の子供の親です。

そして、同じように
子供のより良い成長を願い

2度と戻ることのできない「その時」を

想い出という宝物にしたいと思っています。

子供が大きくなっても

「これだけ大切に想っていたんだよ」と

伝えらる証を残していきたい。

そう、考えています。

でも、子供の成長の多くは日々の小さい変化。

見ようとしなければ、見逃してしまうことも
よくあります。

気がつけば、「あれ、背が伸びてる?」
ということは、僕もしょっちゅうです。

5秒もあれば、注意を引いてくる
手のひらにおさまる便利でスマートなもの。

見させようとする、刺激にあふれた
メッセージたち。

今のような、より興味を引き出されるものが蔓延している時代であれば、


子供のちょっとした成長を見逃すことは

仕方のないことだと思います。

それでも、一番大切なものは

これからも何十年と一緒に生きていく
子供や家族の変化じゃないでしょうか?

この、ずっと人間にとって大切だけど
忘れがちなことを、
身をもって気づけた話があります。

なぜ、フォトグラファーである僕が
妻と娘の写真を残すことができなかったのか?

もしかしたら、娘とは1秒も時間を共にできなかったという話で

写真は「過去を未来の力に変える」ために必要だと

伝えることができると思います。

 

 

少しでも、お子様やご家族に注意が向くような「たし」になれば幸いです。

なにごともない日がずっと続くと、当たり前のように思っていました。けど...

今から、6年前の話です。

 

妻のおなかに、娘が命を宿して5ヶ月たったある日。

僕たちは、生まれてくる娘の服や日用品を買いに、出かけていました。

外はあいにくの雨模様で、大きな雲が1つの塊のように蠢いているような天気。

それでも、毎日が未来への希望に溢れていて、

その日も「希望」のためのお買い物と未来の構想を練ることができて

幸せを感じていました。

全ての買い物が終わり、さぁ帰ろうというところで、妻の携帯が鳴りました。

 

検診でお世話になっていて、出産もお任せしようと思っているクリニックからでした。

直感なのかな、なにかあると感じました。

電話に出て、話を聞いてる妻に、焦り模様があらわれてきたのが、手に取るようにわかります。

どうやら、おなかの赤ちゃんの発育に問題点があるようなんです。

それで、今すぐ大学病院で検査入院をできるよう手配したと言われました。

... ... ...

検査入院は2日間の予定でした。

僕たちは2日間の検査で、問題や原因がわかって、

 

生活に気をつければいいんだ、くらいに思っていました。

「出産まで、入院してください。」

これが、病院から出た結果です。

どうやら、胎児の成長不全が起きているらしく、その原因は不明。

経過を病院で見ながら、対処できるようにとのことでした。

妻は不安だっただろうし、辛かったと思います。

毎日、点滴が抜けずに、外出もできない。

​ゆっくりとしたマタニティライフを思い描いていたのに、その未来はついに来ませんでした。

妻の願いの1つに
マタニティ写真を僕のスタジオで撮る
という願いがありました。

毎日、点滴が外れません。

当然、外出なんて、いっときも叶いません。

僕だけが叶えられる、唯一の妻の願いも消えました。

残せた写真は、病室でなんにも着飾らず、他の相部屋の人に迷惑にならないように

ひっそりと撮った、携帯での写真。

正直に、言います。

写真を携帯で撮った、その病院の帰り道、

僕は自分の無力さに涙しました。悔しかったし。やるせなかった。

携帯に写った妻は、少し大きくなったおなかを出して、着飾らない笑顔を見せていました。

物語は終わるまでは終わらない。涙で見えなかったファインダー

毎日仕事終わりに、面会時間いっぱいを妻の病室で過ごす日々にも慣れた、ある頃です。

その日は日曜日で、僕のスタジオもそれなりに、撮影で忙しくなっていました。

撮影が始まる前の朝のスタジオに
電話がありました。

「胎児の心拍が止まった」と病院から。

思考停止とは、あの時のことを言うんでしょうね。

見ているものに現実味がなく、

聞こえてくる音がただの「音」にしか聞こえない状態。

その日のお客様には申し訳ないのですが、どう撮影したのか、今でもあまり覚えていません。

涙でファインダーがぼやけていたことくらいしか。

妻は、救急車で、大学病院から、専門的な知見がある病院へ緊急搬送。

僕の母が付き添ってくれることとなりました。

全ての撮影が終わったあと、本当にどうやって着いたかわからないけど、

病院へ向かいました。

「ああ、妻はどれだけ悲観しているのだろうか?」

考えるのは、そのことばかり。

どんな表情で、妻の病室を開ければいいのか?

なんて声をかければいいのか?

これからどうすればいいのか?

ナースステーションの看護師さんに、部屋を教えてもらうために声をかけました。

すると...

「あー、荒井さん!奥さん、ゆっくりテレビ見てるよ。」

...えっ?テレビ??余裕...???夢!?

病室のドアを開けると、本当に妻はゆっくりテレビを見ているのです。

どうやら、「心拍が止まった」ではなく、

「心拍が『弱まった』」と聞き間違えたらしく、

顔面蒼白だった僕は、足から力が抜け、生まれて初めて支えられる壁に感謝しました。

心拍が弱まったのも、どうやら、へその緒がからまっていたらしく、

 

搬送中には、また元の心拍に戻ったそうです。

余談ですが、じぃじ(僕の父)も話を聞いて、生気が抜けていたらしいです。

​今となっては、スベらない話の鉄板になっています。

撮れることが当たり前だと思っていた、もう一生撮れない写真と気づけた大切なこと。

出産は予定日より2ヶ月早く、帝王切開で、と決まりました。

胎児の発育不全の原因は、やっぱりわからないけど

ギリギリまでおなかで育てる処置が選ばれました。

出産間近に、主治医の先生から、お話がありました。

超低体重児だということ。

もしかしたら、「何か」はあるかもしれないこと。

100%の「全力」は尽くすこと。

僕は、まったく心配していませんでした。

一応、理系だったので

 

先生の話が全て納得のいく医学的な処置だと判断できたこと。

そして、直感でしたが、娘は生きると思える未来しか想像していなかったから。

5月25日。

900グラムとちょっとで、無事出産。

妻、頑張った!

そして、新たな日々が始まりました。

娘は、ICU(集中治療室)で2ヶ月の入院が決定。

1キロにも満たない体重でしたから、

 

24時間の発育管理体制。

僕と妻は毎日、ICUに通いました。

数グラムの体重増加に、沸き立ちました。

それでも、悔やまれるのは、新生児時しか撮れない撮影ができないこと。

外の空気に触れることはおろか、

保育器から出ることすら、不可能です。

無菌ルームなので、カメラの持ち込みも不可。

当然です。わかっていました。

悔やまれはしましたが、もう絶対にこの記憶は失くさないでおこうと決めました。

本当に小さい我が子でしたが、

成長は順調に進み、保育器から出れるようになり

退院の準備が行われて行きました。

そして、約2ヶ月後の夏の始まりの日。

娘は初めて、病院の外へ、僕たちの普段の世界へ旅立つことになりました。

娘には、パパはプロのフォトグラファーでスタジオも持っているけど、新生児の写真はありません。

そして、妻のマタニティ写真もありません。

当時は悲しく思いましたが、今の生活があるから大丈夫です。

普段と変わらない日が続くと、毎日があるのが当たり前だと感じます。

その毎日に起こる出来事や成長も、見慣れたものとして、注意を払おうとしなくなります。

でも、意外と奇跡の連続が「今」を作っているんですよね。

子供の成長なんて、奇跡の積み重ね以外のなにものでもありません。

ただ、毎日積み重なるものだから、当たり前のように感じてしまう。

奇跡の軌跡も普通のことのように感じてしまう。

僕はラッキーでした。

当たり前が崩れ始めるのに、1秒もいらない、と知れて。

そして、奇跡の積み重ねも一瞬ずつだということを知れて。

もう撮れない写真はあります。

時間を戻せたとしても、運命として撮れない写真。

でも、写真がなかったとしても、もう嘆きはしません。

だって、今から未来には
未来のために残せる写真があるのだから。

僕はなんのためらいもなく、こう言えます。

【写真は絶対に大事】

キレイゴトです。

そのキレイゴトを心から信じて、子供の成長と家族の豊かさを実現するために

僕たちは、写します。

日本には、子供の成長をわかりやすくしてくれる行事がたくさんあります。

舞台は用意されています。

演出は僕たちができます。

​表現は、お子様と、ご家族と一緒に作り上げます。

日常では体験できない、特別な体験をファンタジーとしてお届けします。

どれも、あなたとあなたの家族の奇跡を1つのストーリーにするために、存在しています。

写真を撮ってください。

そして、できれば、データじゃなく、消えずにカタチに残るものにしてください。

その写真を見て、お子様と話してください。お子様と家族を誇りに思ってください。

そんな、温かく豊かな奇跡づくりのお手伝いを、撮れなかったとなる前に、

僕たちにさせてはもらえませんか?

撮影でお会いできるのを
楽しみにしています。

あっ、最後に娘の今の状況を。

実は、一番上のトップの写真が娘です!

6歳のお誕生日写真で、うちのスタッフのお姉さんに上手に撮ってもらいました。

標準よりはだいぶ小さいですが、
元気に素直に育ってくれました。

よかったら、顔出しNGの理由を
​スタジオに遊びにきたときに、直接聞いてください。

娘が退院してからは、写真スタジオ経営者の特権をフル活用して、

バシバシと毎月撮影しました。

これくらいは、大目に見てもらえますよね?

皆様のお写真も
またバシバシ撮らせてくださいね!

それでは、ありがとうございました。

スタジオフォトアライ・ジュエ
​店長:荒井ゆうすけ

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​スタジオフォトアライ・ジュエ

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